雪国秋田で暮らす私たちにとって、「克雪」は重要なテーマです。屋根の向き、角度など雪を考慮して設計した建物も、年月が経つと、住宅状況はがらりと変わります。
後から建てられた隣人の敷地に屋根の雪が落ちるとか、屋根の勾配の向きを変えないと敷地内に雪を下せなくなったなど、克雪の問題は深刻です。お客様の住宅の屋根形状や敷地の状況などから、最適な提案をさせて頂きます。
克雪対策
克雪対策のために、屋根の勾配を変えるリフォームが可能です。克雪には『雪降しをする場合』と『雪降しをしない場合』で考え方が違います。屋根の勾配の特徴を参考にして頂きながら、ご事情に合わせたご提案をいたしますので是非ご相談ください。
屋根の勾配と克雪
雪が滑り落ちやすい分、雪降しは楽になります。ただし突然落雪が起きるので、屋根の下は人が通らない庭などの敷地が必要です。屋根の向きが隣の敷地に向かないよう配慮が必要です。勾配の高い屋根の雪降しは非常に危険が伴います。
屋根に上がって雪降しをする屋根は、緩やかな勾配で、雪止めを設置して、必要に応じて雪降しをする場合が多いです。雪止めは屋根の構造に合わせて適切な雪止めを設置します。作業の際は雪を下す場所の確保や作業中の落下などの注意必要です。
無勾配の屋根で、平らな屋根の上に雪が積もり雪降しをしない屋根です。建物自体に負担がかかるので屋根や建物の耐久性がとても大事です。築年数が経っている場合は建物や屋根の補強等も必要になります。雪の重みで戸やドアが開かなくなることもあります。
屋根勾配・向き変え事例
屋根の勾配・向き変えの事例をご紹介いたします。屋根から雪が落ちるイメージで、屋根の変化をご覧ください。
工法:勾配・向き変え事例①
建築当初は、向かって左側は空き地でしたので、道路側に雪を落とさないような屋根の向きでした。
お隣に家が建ち、雪下ろしを裏側に向けて行っていましたが、勾配に逆らうので結構重労働だったそうです。そこで、葺き替え(ふきかえ)をきっかけに、屋根の向きも変えることになりました。土地にゆとりのある裏側に雪を下せるようになり、雪下ろしの作業がだいぶ楽になりました。
工法:勾配・向き変え事例②
昔から代々使っていた土壁の農作業小屋で、雨漏りだらけの小屋だったが、この小屋をもう少し使いたいので何とかならないかと相談があった案件です。複雑な屋根の構造で雪下ろしが大変な状況だったので、屋根を片流れで、雪が落ちやすい構造にした。ついでに柱を新たに立て、全体を補強して小屋として利用できるようにしました。創造以上の出来とお客様に喜んでいただき、これからは、手入れをしながら大事に使いたいと言われた。
建物の構造を変えないで、屋根の向きだけを変えることはできますか?
可能です。
屋根の向きや勾配を変えるとき、今までの屋根材をそのまま使えますか?
屋根材によっては不可能ではありませんが、長い目でみると、新しい屋根材でしっかり耐久性を確保した方がよいと思います。